子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

美女と野獣と王子探し

美女と野獣と王子探し



「悪い魔女に魔法をかけられた」

そう言って突然野獣があたしのアパートに転がり込んできた。
どうしていいのかわからずおどおどしていると
その野獣は勝手に上がりこんで「お茶」と言って座り込んだ。
わたしは言われるままにお茶をいれると
おいしそうにグビグビと飲み干して

「熱い」

と言った。
わたしが眉間にしわをよせると

「いや、おいしかった」

と言いなおして魔女に魔法をかけられた話をし始めた。
どうやらこの野獣はもともと王子だったみたいだった。
そして魔女から隠れるためにここにしばらくいさせてくれと言う。
わたしは追い出そうと思ったが
ひょっとしたら本当に王子様だったらどうしようと
少し下心出してとまどってしまった。

いろいろ考えているうちにその野獣は床に寝そべって
グーグーと眠り始めてしまった。

なんて図々しいやつ。
王子だから我がままいっぱいに育ったんだろうか。

野獣の横顔は猫のような犬のような
不思議な顔で毛はふさふさしていた。
あーあー明日は床が毛だらけだと思ったが
その猫のような犬のような顔がふとかわいいとも思ったので
毛布をかけてあげた。

次の朝、起きたら野獣は朝ごはんを作っていた。
そのお味噌汁の香りに不覚にもお腹がグーとなった。
しばらく置いてあげてもいいかなと思ってしまった。

それからひと月が過ぎ
ふた月が過ぎ
み月が過ぎたところで
さすがにおかしいと思い始めた。

この野獣ときたら
ただ食っちゃ寝してゴロゴロわたしになついてくるだけだった。
魔女を探すとか王子に戻るために何か調べたりとか
まったくそういう活動をしてない。
普通するだろうそういうこと。

どう考えてもこの野獣は王子ではない。
この野獣はたんなる野獣だ。
人間ですらない。
わたしは騙されていたんだ。
そう思った瞬間怒りが吹き出てきた。

「出てってよ」

床に寝転がっている野獣を見て
わたしは大声を張り上げた。
野獣は驚いたような泣きそうなような
そんな情けない顔でわたしを見上げた。
そんな情けない顔で見ないでよ

「好きだから騙してたんだ・・・好きだから・・・」

そう言って野獣はわたしの部屋から出て行った。
その言葉に一瞬ぐらついたわたしだったが
ともあれその時からわたしの本当の王子探しがはじまった
のだったのだが・・・

街をぶらぶらしてみた
誰かに声をかけられるかと思ったけど
誰にも声をかけられず

結婚相談所にもいってみた
年収1000万の外科医者に興味をもつが
あっさり向こうから断られた
わたしは年収1000万にひかれたのか
王子より医者という肩書きにひかれたのか
なんか後悔だけが残った。

結局王子なんてものは見つからなかった。
わたしに残ったのは寂しい気持ちと後悔だけ。
・・・それとベランダで育ててるアイビーだけ。
そういえばこのアイビーを野獣は食べそうになったけ。

馬鹿馬鹿しい。
むなしい。
腹立だしい。
淋しい。
あいつ。

あの野獣は今頃どうしているだろう。
どっかの野山にでもいるのだろうか。
また会いたいと思ってた時
ピンポンがなって目の前にあいつがいた。
涙が出てきた。

「本当は王子じゃなくて野獣だけど
きみが好きなのは本当だから」

バカ、早く入ってよ。
スポンサーサイト
プロフィール

子牛

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

クリックするとランキングがあがるそうです。 よかったらお願いします。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。