子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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レッド・センセーション

赤の感情



赤い悪魔。
ぼくはあいつのことをそう呼んでいる。
あいつのことを見るたびにおぞましい感情がわき起こるのだ。
あいつを見るたびお腹の奥の内臓が自然の理に反抗する。
なんでも自然のままにすることが正しい自然の道なのであるが
人間があのような物を食べること自体不自然と言える。

そう思った僕は冷蔵庫からあいつを取り出して
こっそり公園の壁に投げつけた。
しばらくその赤い塊の成れの果てを見てみると
段々とずりずりと下に落ちていく様は
まるで吸血鬼が口から血をたらしているようで
ゾゾゾと不気味な気分になった。
しかしこれで今夜のおかずにあいつが出ることはなくなるだろう。

ぼくはトマトが大嫌いなのだ。
あんなものは食べ物と呼べないと思っている。
でもうちのママはトマトが大好きで
1週間に6回くらい食卓にあいつを並べるのだった。
ぼくは何回も嫌いだって言ってるのに。
トマトは体にいいのよって出すんだ。
ただ単に自分が食べたいだけのくせに。

そんなわけで公園の壁に投げつけたから
今夜は出てこないだろうと思って
ちょっとほっとしているわけ。

でもしばしば期待は失望の母であるとおりに
そんな安堵感はもろくも崩れ去るわけだ。
崩れ去る・・・まさにその通りだ。
それはあたかも砂の城のよう
期待しては失望に変わる。
今晩の夕食ハンバーグの横に
しっかりトマトがそえてあったんだ。

なんでなんでなんで

「なんで今日もトマト入ってるの?」

「トマトいそいで買ってきたのよ。ママ大好きだから」

ママが言うには遺伝子的見地に立つと
ぼくがトマトを嫌いなのは間違いだと言うのだ。
それはきっと勘違いだから
きっと好きになれるから食べなさいと。

しばらくトマトじっと見てたら
なにか目まいみたいなものがしてきた。
そしてなにか聞こえてきたのだ。

「ぼく嫌われ者だから」

はっとまたトマトを見てみたら
今度はぼくがトマトになっていた。
その前にはなぜかぼくがいる。
ハンバーグをむしゃむしゃ食べているけど
一向にトマトを食べようとはしていなかった。
そりゃぼくはトマト嫌いだから仕方ないと思ってたけど
ずっとそういうかんじが続いたから
おもわず思ってしまった。

「好き嫌いしてないではやく食べんかい」
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男の子女の子

男の子女の子



わたしはタニシざんす。
いちおう名前はタニーざんす。
タニシの世界は広大でこの地球上でタニシがいない陸地は南米大陸だけざんす。
それはそうとわたしは困っているざんすよ。

男か女か
それは生物にとっては非常に重要なことざんすが
我々タニシという生き物は男と女の区別がなかなか上手くつかないざんす。
ちなみにわたしは男ざんす。

ある日わたしが河の勢いが少ない場所でまったりとくつろいでいるところ
男が近づいてきたざんす。
別段気にはしなかったざんすよ。
ここは体を休ませるのには最適な場所ざんすから。

ところがそれからというもの
ずっとわたしの近くによってきては
まとわりつくような熱視線をあびせてくるようになったから

ははーん、なるほど。

この男はわたしが女だと思っているとわかったざんす。
男か女か見分けがあまりつかないタニシの世界ではありがちなことざんすね。
それはもう暑いサウナで隣にいる人がジリジリと近づいてくるぐらい
気持ち悪かったざんすけど
ふといいことを思いついたざんす。

そうざんす。
いっそのこと女になりすまして
この男をからかってみたら面白いかもしれないざんすね。
そう考えたんざんす。

それからわたしはなるべく御淑やかに振舞うようになったざんす。
そうしたら面白いものでその男は何かモジモジした動きを見せ始めたざんす。
おもしろいざんす。
わたしはその男の様子をチラチラ見てはほくそ笑んだんざんす。
そうして何日か面白がったざんす。

顔がトマトのように赤くなる奴ざんす。
その様子を見ているうちにわたしに油断という心が生まれていたざんす。
こいつは何かしたくてももじもじするだけの
シャイで内気な奴ざんすと。

ところがある日急接近してきたざんす。
いきなり上から人間の足が降りてきて
あやうくその男とわたしは踏まれてしまうところだったざんす。
足が降りてきたいきおいでその男が水圧で吹き飛んで
タニシにしてはとてつもないスピードで急接近してきたざんす。
そしてそのことをいいことにその男はそのまま勢いよくわたしに近寄ってきたざんす。
しまったと思ったざんす。
わたしたちタニシは逃げるスピードがとても遅いざんす。
このままではまずいことになるかもしれないざんす。
仕方ないからわたしは正直に白状することにしたざんす。

「わたしは男ざんすよ」

するとその男はこう言ってきたざんす。

「わかっていた」と

わたしは大急ぎで逃げることにしたざんす。

プロフィール

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

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