子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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カバのなみだ

カバのなみだ2



むかしむかしアフリカのあるところに
一匹のカバがおりました。
このカバたいへんな欲張りもので
まわりの動物からは煙たがられていた存在でした。

さてアフリカのあるところにはたいそう大きな河がございます。
河は命の源、動物たちにとっては憩いの場所です。
今日もたくさんの動物たちが集まって水を飲んだり体を洗ったりしていました。

カバがやってきました。
普段のカバはのそのそと歩いているのですが
目の前に食べ物、飲み物がある時は走ります。
ドカドカとものすごい勢いで河に飛び込み
さらにものすごい勢いで河の水を飲みはじめました。

飲みながらカバは考えました。
この河の水を全部オレが飲み干せたらおもしろいだろうなあと。
そうだ神様、いるんだったらオレの願いをかなえてくれよ。
河の水を全部飲み干させてくれよ。
そう冗談でカバは考えていました。
ところが次の瞬間。

なんと河の水がみるみるうちにカバのほうに吸い込まれていってしまいました。
そしてあっと言う間に河は干上がってしまったのです。
カバは仰天しました。
もちろんまわりの動物たちも仰天しました。

しばらく沈黙が続きました。

またしばらくしてから怒号が飛び交いました。
カバのせいで河の水がなくなったことにみんな怒りました。
カバはいたたまれなくなって逃げ出しました。

それから何日たっても河は干上がったままでした。
カバは泣き出しました。
自分が欲張りすぎたために河の水がなくなったことに対して罪悪感がうまれたのです。

カバはこんどは本気で神様にお願いしました。
お願いだから河をもとに戻してくださいと。

カバは叫びました。
そしてぽとりぽとりと涙をこぼしたのです。

奇跡がおこりました。
カバの涙がみるみるうちに大地をひたし
やがて大きな大きな河へと変わったのです。

カバは仰天しました。
そしてまわりの動物たちはカバを尊敬しました。

ところでこの涙はいつ止まるのと
カバは神様に聞きましたが
神様は答えてくれませんでした。
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リバー

リバー



「金足りないねえ」

三途の川でそう言われた。
まさか本当にお金が必要だと思ってなかったから
少しぼけっとしているとすぐに船から叩き出された。

「金がない奴を連れて行くほどあの世も景気よくないんだよ。」

船の渡し守は川に落っこちた私を見下すとそうはき捨てて川の向こうに消えて行ってしまった。

途方にくれていると段々あたりが暗くなってきて
私は震えた。
このまま闇に消えていってしまうのではないか。
そう不安になった。
私は闇雲に川と反対の方向に走った。



気がつくとそこはもとの死んだ場所だった。
ただし私は幽霊になっているようだ。
それはすぐにわかった。
なぜなら私が住んでた家が見るも無惨につぶれていたからだ。

そうだ思い出した。
地震が起きたのだ。
地震が起きて考えている間もなく家が壊れて・・・・。

私ひとりが家にいたのだ。
妻と子供はその時いなかった。
スーパーに行ってたのだ。
私ひとりナイターを見ていた。
4回表巨人の攻撃だった。

どうやら死んだ直後らしい。
救急車やらパトカーやら消防車やらが見える。
まわり中が大騒ぎしているようだ。
そうとう大きい地震だったみたいでアスファルトの地面が裂けている。
多くの家が私の家と同じようにつぶれている。

私は自分の家の残骸にさわろうとした。
すると自分の手は家の残骸に透けて通り抜けた。

しばらくすると妻と子供の太一がやってきた。
まだ状況をつけめずに二人ともたたずんでいる。
太一は三歳だ。
わかろうはずもない。

大きな声を出してみた。
しかし二人の耳には届かなかった。
急に自分の死への実感がわいて涙がでた。
しかしその姿も誰にも見せることができなかった。

走った。
遠くに走った。
この場にいたくなくなったのだ。
私は一心不乱に走った。

幽霊のままこの世にいても苦しいばかりだ。
はやく地獄でもいいから行きたい。

すると遠くから鐘の音が聞こえてきた。
それは直接脳に響いているようで
とても心地のよいものだった。

「幽霊の皆様、あの世に行きましょう。あの世の景気はよくなりましたから」

どこからともなく女性の声でアナウンスが聞こえた。
私は迷わずもう一度三途の川へ行こうと思った。



するとあっと言う間に三途の川に着いた。
着くなり船の渡し守に出会えた。
私は絞り出すような声で聞いた。

「やっと向こう岸にたどり着けるのですね」と

すると船の渡し守はにんまり笑って頷いた。

「ああ、行けるとも」

私は内心嬉しくなかったが安堵感はあったので笑みをこぼした。
肩の荷が降りた気になったのだ。
次の言葉を聞くまでは。

「景気がよくなったからあの世も物価が高くなってね。俺のところも値上げしたよ。お前こんどは金をちゃんと持ってきたんだろ?」
プロフィール

Author:子牛
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大人向けの創作童話を作っています。
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ありがとうございました。

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