子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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咲き誇れ愛しさよ

つるつる



花びらひとひら
風にひらひら
わたしの頭にとまりました
わたしはそれを手にとり
数秒もの思いにふけり
ふかい吐息をひとつ
世のはかなさを感じるのでした

わたしの髪も若い桜の花が散りゆくように
風にさらわれ飛んでいきました
それはもうずいぶん昔のことですが
いまでも私の頭のなかには
満開に咲き誇る桜のように
わたしの頭に髪の毛が満開に咲き誇っていた
あの日あの時を思い出すことができるのです

どんなにきれいなものでも
いつかは消えてしまうもの
花を開いては咲き誇りそして散りゆくもの
それはどんなものでもそうなのです
永遠に咲き誇っている花なんてないでしょう
だからこそ美しいといえるでしょう

カツラを買いました
自分の髪に未練があるのではありません
髪もはかなく散るもの
だからこそ美しいことを知っています

しかし世間はその美を知りません
世間は表層的に現れてくるものに
目を向け耳を傾けるのです
だからわたしはカツラをかぶらなければいけません

そうわたしはこのカツラにも
散ってしまった髪の毛にも何の未練もないのです
このカツラはあくまで仮につけているだけです

そう思ってたら雨が降ってきました
わたしは手を頭に運び水滴をとろうとしました
するとなにか白いものが手にこびりつき
あれおかしいな晴れているのにと上を向いたら
鳩が一匹
わたしは石を投げつけました
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ツルの悩みごと

ツルの悩みごと



凍りつくような川辺に一羽のツルがおりました。
そこにパタパタと南の空から白鳥が飛んできました。
ツルはその白鳥の優雅な動きにしばし見とれていましたら
白鳥はツルをじろっと見つめて

「かっこわるい」

と言って飛んで行きました。

それ以来ツルは自分がかっこ悪いものだったんだと悩むようになりました。
悩んで悩んで悩みすぎてしまって
しまいには頭のてっぺんにまん丸い禿げができてしまいました。

しばらくたってまた少し暖かくなった川辺にツルがおりました。
そこにパタパタと東の空からハゲタカが飛んできました。
ツルは食べられるんじゃないかとあわてて逃げようと思いましたら
ハゲタカはツルをじろっと見つめて

「かっこいい」

と言って飛んで行きました。

ツルと髭

ツルと髭



わたしには髭がありません。
ありませんというか生えません。
それがどうしたとお思いになったでしょう。
ところがわたしにとっては一大事なのです。

わたしが住んでいるこの国は
わたしのような髭が生えない者にとっては大変住みにくい国なのでございます。
ただ髭が生えていないというだけで半人前の男として扱われてしまうからです。

わたしの隣の家には大層立派な髭を蓄えた男が住んでおりました。
名前をアンリと申します。
どのくらい立派かと申しますと、ほうっとけば髭は伸び続け地面についてしまうほどだったのです。

まあ立派なんていってもそれは髭だけの話で
その男そのものが立派というわけではありません。
それは断言できます。
世間は奴の本性を知らないのです。

実はなのですがアンリの奴は毎晩毎晩、猫の真似をして遊んでいるのです。
四つん這いになって毎晩「みゃーご、にゃーご」と鳴いているのです。
アンリはひとり暮らしなのですが
ひとりでそんなことを毎晩やっているんですよ。
気色悪いでしょう。

わたしが「うるさい」と苦情を言うと「これは本当の猫が鳴いているのだ」と嘘をつきます。
だけどわたしはアンリの家をこっそり覗いてみたことがあるので知っているのです。
アンリが猫の真似をしていることを。

それを周りの連中に言っても誰も信じてくれないのです。
みんなが口をそろえて「まさか、あのアンリさんがそんなことをするわけがない」と言うのです。
それだけならまだしも「おまえは自分が立派じゃないからって他人にあらぬ噂をたてて陥れようとしているのか」とまで言って逆に自分が怒られたりするのです。

わたしは途方にくれています。
なぜ世間はあの変態を非難せずに
ごく普通に暮らしているわたしを非難するのかと。

どうしたらいいのかわからないので
とりあえずわたしは付け髭を作ってみました。
髪の毛を髭のようにしようと考えましたがあいにくわたしの頭には毛があまりありませんでした。
なんだ髭もないし髪もないのかと自分で自分のことが憎くなりましたが悲観にくれている暇はありません。
一刻もはやく自身の名誉回復につとめなければならないのです。
わたしは床屋に行ってこっそり髪の毛をとってきたのでした。
それをうまいことつなぎあわせて付け髭をつくりました。

わたしはこれでもう皆にバカにされまいと思いました。
そして意気揚々と町を歩いたのです。
ところが道行く人がわたしを見るたびにクスクスと笑いました。
家に帰って鏡で自分の顔を見て気づいたのですが付け髭が半分とれかけていてぷらんぷらんとぶら下がっているような状態だったのです。

おお、なんとマヌケな。
今度はまともに付けていっても笑われてしまうに違いない。
わたしはマヌケなピエロそのものだ。

そう思って嘆いているとドアのチャイムがなりました。
アンリが訪ねてきたのです。
わたしを笑いに来たのかと思いましたが
どうも真剣な顔して悩み事があるというのです。
とりあえず家のなかに入れて紅茶を差し出しました。
だけどなかなか話さないので次第にイライラしてきたのです。
その気配を察したのかアンリは重い口を開きました。
頭を抱えながら信じがたいことをわたしに言ったのです。

「実は髭が濃すぎて彼女にキラいと言われたんだけど、どうしよう。」

この男の首を絞めようと思いました。
勝手にしやがれ。
プロフィール

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

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