子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

冬将軍は冬限定の将軍

冬将軍



わたしは冬将軍様の執事をしているものです。
もうかれこれ三百二十四年余りもこのお方に仕えています。

この方の勇ましさときたらそれはそれは・・・
そうあの毘沙門天でさえも恐れて逃げると言われるほどでございます。

この間も悪鬼羅刹の百万の軍勢を冬将軍様の放った吹雪によって一網打尽にしたばかりです。

無敵にして唯我独尊。
最強にして空前絶後。

それが冬将軍様でございます。

しかし、それは冬限定なのです。
こう書くと冬限定おでんとか冬限定鍋焼きうどんなどの食べ物の話かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが違います。
冬限定の将軍の話でございます。

では冬以外の季節にはどうなってしまうのか?
皆様も気になってきましたか。
そうですか。

あまり言いたくないのです。
これは冬将軍様から固く口外することを禁じられているから。
でもこれも日頃からご恩顧ある皆様のため。
秘密裏にお教えしましょう。
冬将軍様には内緒でお願いします。

まず春なると冬将軍様は将軍の官位を剥奪されて天城から追い出され地面まで落っことされます。
いきなり厳しい現実が冬将軍様をおそうのです。
本当にいきなり落っことされるのです。
私ともども神々から蹴られて落とされます。
季節の移り変わりというのはわたし共にとって、とてもとても厳しいものなのです。

官位を剥奪された冬将軍様はどうなるかと言いますと単なる寒気になります。
春になったけどまだちょっと肌寒いねと思っている人たちに寄り添いながら細々と暮らします。若い子の肌に鳥肌が立つのを見てほくそ笑みます。

強敵は春の嵐です。
あいつには一発で吹き飛ばされてしまいます。
吹き飛ばされながらもなるべく涼しい場所を選んで潜伏し続けます。

夏は絶体絶命の季節です。
生き残るためになんでもやります。

まず人々の家に入り込んでクーラーの風になります。
それで昼の間にはなんとか大丈夫です。
しかしクーラーを止められたら一気にピンチになります。

執事のわたし共々一気に溶けてなくなるが如く
熱気に負けてしまいます。

冷蔵庫こそが命綱でございます。
あそこまで一気に走りこむのです。

しかし扉は閉まっているのです大抵。
ですからわたしどもはぶつかって、へろへろと落っこちます。

冷蔵庫の裏にはおそろしい熱気がたちこめています。
わたしどもは身をよせてぶるぶる震えているのです。

お母さんが買い物から帰ってくる時
お父さんがビールを取り出す時

その時がチャンスです。
いや坊ちゃんがアイスを食べたくなった時でもいいかもしれません。
家族の誰かが冷蔵庫を開けるタイミングにスパンと中に入るのです。
一瞬の勝負です。

全神経を集中させます。
その集中力たるやアスリートのようです。
これでメダルを取れるかどうか決まるような緊迫感が漂うのです。

入れない時もあります。
その時は灼熱地獄です。
特に冷蔵庫の裏から発せられる熱風は地獄の業火のようなのです。
だから負けられない戦いなのです冷蔵庫とは。

秋になると少しほっとします。
そして希望をもてます。
ああ、ようやくこのただの寒気は冬将軍様に戻れるのだと。
はやく冬よ来い早く来いと熱望します。

希望を持つことで残暑を乗り切ります。
希望こそが生きる意味なのですから。

この頃になると風邪をひく人がおおくなりますが、
それはわたしどもの活躍のおかげです。
夏にはなかった元気がわたしどもにやどり人々をちょっと肌寒くさせるのです。
ひそやかなる楽しみです。

そして冬になると冬将軍として晴れて復活というわけです。
天城にて天照大神から将軍の官位を授かってまた人々たちを寒がらすために大暴れしますよ。

楽しみにしていてください。
スポンサーサイト

マッチボックス

マッチボックス



もう公園の芝には霜がおりていた。
人々は白い息を吐き足早に通り過ぎていった。
冬将軍は人々を早く家路へと向かうようにうながしているようだった。

ジョニーとケンはNYのチンピラだ。
彼らには誇りというものは一切持っていなかった。
その日その日をただ生きていただけのごく退屈な若者。
金になることはなんでもやって暮らしていただけの生き方だった。

二人は公園のベンチに腰をかけて一服しようとした。
上着のポケットからライターをとろうとしたがなかった。

ふと前を向いてみるとマッチ売りの女の子が目についた。
二人は女の子を呼んだ。

女の子は栗毛の巻き髪に赤い頭巾をマチコ巻きにしていた。
まるで童話の世界から飛び出てきたような現実ばなれしたゴスロリのフリフリな洋服を着ていたが、ブライス人形みたいなやけにまるい緑の目は二人に沈んだ印象を与えた。

「このマッチで煙草を吸うといいことがおきますよ」

女の子は少しにっこりしてそう言った。
ジョニーは特に気にせずに一本煙草を取り出してマッチに火をつけた。
そして深呼吸をするようにゆっくり煙草を吸った。

次の瞬間空から札束が降ってきた。
ジョニーはポカンとながめていたが、
札束が自分の頭にぶつかったことでこれは現実なのだと理解した。

ケンと一緒に拾い上げるだけ拾った。
これで俺らは一躍大金持ちだ。
ドブネズミみたいな汚ねえ生活ともおさらばだ。

そして本気で札束を拾おうとジョニーは吸っていた煙草を口から吐き出し足でもみ消した。
するとさっきまであった札束は一瞬で消えて無くなってしまった。

ジョニーとケンは地べたに這いつくばって金が落っこってないか探しまくった。
しかし1ドルも落ちてはいなかった。

まぁまてよ。

もういちど吸えばいい話じゃないか。
そう言ってケンはもう1回マッチを取り出し「あ~もててぇ」と言いながら煙草の煙を深く吸い込んだ。

すると次の瞬間、大豪邸に住んでいた。
目の前には大きなプールが広がっていた。
そしてジョニーやケンが大好きな絶世の美女が30人くらいに囲まれていた。

ケンは色白の金髪に頬を口づけされるともう興奮状態になった。
俺もこの姉ちゃんにキスしちゃると思ってくわえていた煙草を灰皿でもみ消した。
するとあっという間に金髪美女たちはいなくなってもとの公園の風景に戻った。

どういうことなんだよ。

二人はさっきのマッチ売りの女の子のもとへ行った。
女の子は二人を見ると無言でマッチに火をつけた。
そして目でもう1回吸ってとうながした。
ジョニーとケンはその女の子の不思議な緑の目に吸い込まれそうになった。
そしてもう1回煙草を吸ってみようと思った。

だが待てよ。
今まで自分たちの願望が煙草を吸うと叶えられた。
ということは今度は自分たちがなりたくないことを思いながら吸ったら、吸い終わった時に最高なことが起きるのではないだろうか。
よしよし。

ジョニーとケンは起こってほしくないことを思い浮かべた。
だったらこれしかねぇ。

「ブタ箱に入れますように」

そう言って二人一緒に煙草を吸い込んだ。
すぐに目の前に3人のポリスが現れて二人とも手錠をかけられた。

「くそ野郎どもが煙草を消しやがれ」

そう言ってポリスは荒々しく煙草をジョニーとケンの口から取り上げ足でもみ消した。
二人はほくそ笑んだ。
これでハッピーなことが起こるはず。

ところがポリスも手錠もなくならなかった。

「くそ野郎ども来い」

ジョニーとケンは荒々しくパトカーまで引っ張られた。

「どういうことなんだよ~~!!」

ジョニーとケンは女の子のほうに叫んだ。
すると女の子はこう答えた。

「あ、これって三度目の正直マッチなんです。」

ウサギとカメ外伝

ウサギとカメ外伝



むかしむかしウサギとカメが競争しました。
山のてっぺんに先についたほうが勝ちということに決めました。

当然カメはのろのろなものだからあっという間にウサギはカメを引き離して山を駆け登りました。

ところがあと少しでてっぺんに到着というところでウサギは急に具合が悪くなりました。
そしてヘトヘトとその場に倒れこみ動けなくなりました。

一方カメのほうはもう負けたと思いましたが、一応ゴールしようと考えて山のてっぺんを目指してえっちらおっちらと走っていました。

走っていましたと申しましても、その速度といったら赤子のハイハイの百分の一にも満たない、そのようなスピードでおりました。

そして大分たってからカメはそのウサギが倒れこんでいる場所に到着しました。
カメは最初ウサギが寝ているのかなと思ってのぞきこみましたが、汗をダラダラと流して苦しそうにぜぇぜぇと息をしておりますから、これはただ事じゃないと思いカメの家まで連れて行き看病することにいたしました。

ウサギは三日寝込んでいました。
ひどい熱でしたがカメが熱心に看病していましたのでウサギは次第に回復しました。
九死に一生を得たウサギはカメに大変感謝して何か恩返しさせてほしいと言いました。

カメは「いいよ」と遠慮しましたが、ウサギはそれではいけないと「自分の故郷に招待しよう」とカメの手を引っ張りました。

ウサギの故郷はなんと月でした。

ウサギはカメを背中にのせると「エイッ」とジャンプすると月に着いたのです。
信じられないことでした。
しかし現実でした。

月では餅つき大会の真っ最中でした。
それは二人のペアで餅つきの速さを競うものでした。

ウサギとカメはペアを組んで大会に参加することにしました。
カメはウサギに「ぼくみたいなのろまがいいのかい?」と聞きましたが、
ウサギは「こんなの遊びだから気楽にやろう」と言って参加申し込みしたのでした。

そして大会が始まりました。
いっせいにみんながつき始めたのです。

ウサギとカメのペアの隣には優勝候補の野兎コンビのジョニーとケンのペアでした。
ジョニーとケンのコンビは物凄い速さでぺったんこぺったんことお餅をつき始めました。

やっぱりカメはのっそりとしていました。
カメが餅をこねて返す役だったのですが一回返すのに三分くらいかかりました。

ウサギは最初こそニコニコしていたのですが、次第に苛立ちをかくせなくなりました。
そして段々とウサギの息は荒々しく変わっていったのです。

隣では凄い速さでぺったんこぺったんこという音が聞こえていました。
ジョニーとケンのペアは優勝目前でした。
一方でカメはのろのろと餅を返しています。

ウサギのイライラはピークになりコメカミに血管が浮き出てきました。

(この、のろまが!)

そして「うーん」と倒れこんでしまいました。

気づいたらウサギはまたカメの家で寝ていました。
もうひとりで帰ろうかなとウサギは思いました。

北ウイング

Hold me, tight



もう遠くまで 行かないで
あなたの思い出連れていくから

きっとどこかで風のように
飛び立つ後ろ姿

見えるの
黄金色の瞳 輝いている

旅立ちは別れなの?

心のなかで
くり返している
なんども

白い花びらが
草原のなかに消えていく
まるでわたしの言葉みたいね

追いつきたい
追いつけない

近寄りたい
近寄れない

それがせつない

わたしは亀
あなたはハヤブサ
プロフィール

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

クリックするとランキングがあがるそうです。 よかったらお願いします。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。