子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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ぼくの自由研究

アオムシ




ぼくはジュンタです。
小学3年生です。
今は夏休みで、学校の自由研究を何にするか考えているところです。
それで、とりあえず公園のベンチに座りました。

人の世界は大変です。夏休みになったかと思ったら宿題をいろいろやらなければいけないのですから。ぼくの人生経験からいうと、こういうめんどくさいのは早めにやったほうがいいんです。だから、ぼくは夏休みがはじまったばかりだというのに、もう自由研究の素材を見つけに公園までやってきた次第なのです。

今日は天気もよく絶好の自由研究日和です。
風がすんで気持ちよく流れてきました。
それでぼくの心も澄んできました。

すると、ぽとっと上から何かがふってきました。
と思ったら、あっという間にスズメがやってきて落ちてきたものをくわえて飛んでいってしまいました。それはアオムシでした。あまりにもはやくスズメがとっていったので、ぼくはあぜんとしました。

しばらくすると、またアオムシが落ちてきました。
こんどもまたスズメがきてすぐにくわえられてしまいました。
こんどのスズメはしばらくアオムシをくわえたままでじっとしていました。
アオムシが半分、口から出ていました。

しばらくしてからスズメは半分でたアオムシを地面に数回たたきつけてから飲み込みました。

ぼくは戦慄しました。
こんなにもあっさりと死んでしまう命があるものかと。
そしてアオムシに産まれなくてよかったとひそかに思いました。
自由研究くらいのことで悩んでいるぼくは何てのんきなんだろう。
地面にはアオムシの死体がいたるところにころがっていました。
それをながめながら「人間はのんきなものだ」とつぶやきました。
そしてもう一度「人間はのんきなものなのだ」と言いなおしました。

公園を見渡してみると仕事の休憩中なのか、外回りの途中なのか、スーツをきた大人が何人かいました。ひとりはうちわをもって暑そうにあおいでいて、もう一人はタオルを顔にあてベンチに寝転んでいました。そしてもう一人はブランコに座ってうつむいていました。
一見するとのん気なものでした。アオムシだったら、あっという間に食べられちゃうだろうなと思いました。でも、じっと見ていると、どうもそうではないということをぼくの直感がつげました。

大人たちからは生気が感じられませんでした。
もっと端的に言えば、まるで死んでいるようでした。
ブランコに座っている大人をじっと見ました。
その人は下を向いたまま何かをぶつぶつとつぶやいていました。
それは何かにとりつかれたような・・・いや、何ものかに食べられてしまった残骸のような、そんな感じがしました。

地面を見ると、アオムシがアリにひきづられていました。
自由研究は『アオムシと人間の共通点』にしようかなと思いました。
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Author:子牛
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大人向けの創作童話を作っています。
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ありがとうございました。

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