子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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ハトの法王さま

ハトの法王さま




ハトの法王さまの日課はおいのりです。
毎日、毎日、ほとんどおいのりしかしていません。
ぼくは法王さまがおいのりをさぼっている日を見たことがありません。
本当にえらいんです。

法王さまのおいのりの仕方はとても変わっていて木の枝を公園のベンチの前に持ってきて1本積むごとに一回目をつぶってだまってるんです。これを朝から晩までくり返します。
でも、大抵積み上げた枝はベンチにきた人によって壊されちゃうんです。ひどいときはこれでもか、とばかりにふみつぶされたあげくに法王さまがけられてしまった時もありました。

法王さまはそんな時でも、ちっともいやな顔はしていませんでした。
壊されたら、また、いちからやり直しているだけでした。どうも法王さまにとっては高く積み上げることは重要なことではないようにみえました。

雨の日もおいのりしてました。
もちろん積んだ枝はすぐに流されてしまいます。
それでも法王さまはおいのりをかかしませんでした。

ぼくは小学3年生のジュンタです。
いっつも学校いく前の朝と帰りの夕方にこの公園を通っています。
毎日通っている間に気がついたんです。
このハトの法王さまの存在を。

それはぼくの人生の中で一番のセンセーショナルな出会いでした。
今までたくさんの大人の子どもの人たちと出会ってきましたけど、このハトの法王さまは彼らと明らかに違っていました。
なんというか・・・静かでした。
これは話さないから静かというのではなくたたずまいそのものが「静」だったのです。

ちなみに「ハトの法王さま」というのはぼくがつけた名前です。
ぼくの精一杯の敬意のあらわれなのです。

そんなこんなで、毎日法王さまをながめている日々が続きましたが、いつしかぼくもおいのりにくわわりたいと思うようになりました。
ぼくはひとつ小さめの枝を持ってきて法王さまが積み上げている枝のたばの上にのせました。そして目をつぶりました。法王さまのマネをしたのです。
おいのりが終わると「クロロック」と一回声をだしてまた枝を拾いに行きます。
これを繰り返しました。

法王さまはぼくがおいのりに参加しても、びっくりすることも、逃げることもなく、たんたんといつもどおり、おいのりを続けました。

その時でした。
ぼくの心が完璧にハトの法王さまと調和したのは。
それはぼくの人生の中で一度も味わったことがない不思議な感覚でした。
それは「静」そのものだったんです。

そう思ったら風がビュッとふいてきました。
そして積み上げた枝が全部吹き飛ばされてしまったのです。
法王さまは、また、枝を拾いに行きました。
飛んでいった枝を見てぼくは大笑いしちゃいました。
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スズメのHOTEL

スズメのHOTEL




スズメのホテルは、10年連続お客さま満足度No.1でございます。
今までたくさんのお客さまが宿泊されています。

カラス国大統領のカートンさま、モグラ国王さま、動物平和賞を受賞されたハトの法王さまも私どものホテルに宿泊されたことがございます。皆さまに大変満足していただいていまして、何度も宿泊に来てくださるお客さまも少なくありません。

ですので、今回の出来事は私どもとしましては大変ショックでございました。
なぜ、あのようなことになってしまったのか・・・。

あの日は、しとしとと雨がふる一日でした。
私はファイルを整理しながら受付に座っておりました。
外はぼんやりと霧がたちこめていましたので、ぼんやりと霧のほうを見つめていますと、ぼやっとした影が近づいてくるのが見えました。

おやっと思いました。
なぜならそれは人間の女性だったからです。

人間のお客さまが入ってこられるのは初めてのことでした。
普通、人間の皆さまは私どもスズメのホテルの存在を知らないのです。
なぜかと言いますと、人間の皆さまは「人間の世界」をつくりだしてその中だけで生きていることが多く、私どもが所属する「自然の世界」にあるスズメのホテルの存在は気がつかないからです。

その女性は、タエコさまと言いました。
タエコさまは、何か悩みごとをかかえているような顔をしていました。
そして私の顔を見ると少しばかり驚いた表情をなさっていました。
無理もありません。スズメが話しかけてきたのですから。

お部屋までご案内する途中、だんだんと表情がやわらいでいきました。
廊下にはカラス国から取りよせた数々の宝石が壁いっぱいにちりばめています。
タエコさまはそれらが大変気に入ったご様子でため息をついておりました。

部屋は窓からの景色が自慢のお部屋で、窓を開くとそこには海が広がっています。
ベッドはゆったりとくつろげる当ホテル自慢、雲のようにやわらかくふかふかなベッドです。タエコさまはベッドに寝ころがると安堵の表情をし、しばらく目をつぶっていました。
「なにかご用がありましたら何なりとお言いつけください」と声をかけ立ち去ろうとしましたら、タエコさまから「まって」と声をかけられました。

それから私はタエコさまからいろいろなお話をうかがいました。
どうも「人間の世界」というのは大変住みづらい所のようで、恋愛、仕事、家族、将来などのことについてたくさんの悩みごとをもっていらっしゃるご様子でした。そんなにたくさんのことを考えて悩んでいる「人間の世界」は少しおかしいなと思いましたが、だまって聞いておりました。

お客さまは、こんなに落ちつける場所に来たのは、はじめてだと言いました。
しばらく雑談をした後、料理のことが話題にあがりました。
当ホテルの料理は各界のお客さまより大絶賛されています。常に旬な食材にこだわり、最高級の料理をつくっています、と説明しましたらタエコさまは目を輝かせて、こう言いました。
「こんなにすばらしいホテルだったら、きっと料理もすばらしいに違いないわ。期待がふくらむわ。」

タエコさまは私に「人間の世界」で食べたおいしい食べ物について話してくれました。
タエコさまは料理に対する期待がどんどんふくらんでいるようでした。
しかし、タエコさまが教えてくれた「人間の世界」の食べ物はわたしは少しも知らないものばかりでした・・・。

そしてディナーの時間になりました。
ホテルの料理長は珍しい人間のお客さまがきてくれたということで、とくに今夜は力をいれて料理に腕をふるったみたいでした。私もその料理を見ておもわず食べたくなるほどで、これなら必ずやタエコさまは満足していただけると確信をもちました。

そしてタエコさまが席につきました。
タエコさまはそわそわしたご様子で期待がこちらにも伝わってきました。

料理が運ばれてきました。
私はタエコさまが喜ぶ顔を先に想像してしまいました。

しかし事件はその時おこりました。
タエコさまは料理を見るなりあわてふためいて飛び出して逃げてしまったのです。

私たちはビックリしてあぜんとしてしまいました。
まさかこんなことになるとは、今夜だされた料理は最高級の『ミミズのスパゲティ』に『生イモムシの贅沢サラダ』でしたのに・・・。

シカせんべい

シカせんべい





食べものがあることは幸せだ。
そしてここは食べ物にこまらない。

ここはとあるシカ公園。
名物はシカせんべい。

われわれシカにとっては、このシカせんべいは、まさに至福の味なのだ。
シカせんべいこそが、われわれにとって「最高」なのだ。

このシカせんべいに比べたら他の野草や何やらはカス同然。
本当にカスみたいなものなのだ。
オレはこのシカせんべいのためなら戦うこともいとわない。

今まで何頭もの友との戦いがあった、そして別れも。
すべてはシカせんべいのためなのだ。

シカせんべいを勝ち取るためには手段を選んではいけない。
強く、はやく、堂々とおこなわなければならない。

人間たちから恵んでもらっているなんて気持じゃダメだ。
シカせんべいはシカが食うためにあるのだから、人間たちから奪い取らなければならないのだ。

ある時だった。
人間の女がオレにシカせんべいをさしだしてきた。
シメシメと思った。
なぜなら、さしだしてきた反対の手にはシカせんべいの袋が無防備に持たれていたからだ。

オレは無論、袋のほうを奪い取った。
女は怖がってビクビクしていた。

うまくいった。
このシカせんべいはすべてオレのものだ。
そう思った、その時だった。

横から他のシカ野郎がオレの袋にかみついてきた。
渡すものかと、オレは力いっぱい引っ張った。
すぐに袋はまっぷたつに裂けて、中のシカせんべいがあっちこっちに散乱した。

まわりのシカどもも群がりだしてきた。
シカだけではない。
スズメやハトどもも群がり、せんべいをついばみだしたのだ。
オレはそいつらを追い出すために力の限り戦った。

大乱闘になった。
鳥たちは逃げていったが、シカ同士はお互い一歩もゆずらなかった。
押しあい、へしあい、ひっぱりあいを繰り返した。

そしてわれわれは疲れて倒れこんでしまった。
せんべいはまだ落ちていたが、もう動くことができなかった。

するとさっきのスズメたちが帰ってきてせんべいを食べ始めた。

「やめろ~」

と、思ったが動く気力がなかった。
動けなかったが、腹はまだ減っていた。
残念そうに腹がなっていた。

愛の詩(ある母ブタのテーマ)

ぶた

雨に「ありがとう」といおう
なぜなら雨は大地をうるおし、
それは木々をうるおし、
川や海になり、
すべての生き物をうるおすから、
雨はこの木だけうるおし、
この木には枯れるようにしむけようとか、
そういった考えはもたない
ただ雨はすべてのものの
のどが渇かないように
いつもいつも降ってくれるのだ
動物たちも水をたっぷりふくんだ草を
むしゃむしゃ食べたり
きれいに流れる川の水を
ごくごく飲んでくらしている

わたしは母ブタ
今まで多くの子どもたちを育ててきた
最初は子ブタだけだったけど、
あるときトラの子にお乳をあげることになった
はじめは怖かった
でもしばらくしてから子どもはみなかわいい、と
そう思えるようになった
それからはウサギ、いのしし、きつね、ひつじ、ライオン
いろいろな子にお乳をあげるようになった
いやな気はしなかった
むしろほこらしかった
わたしはすべての生き物の母になれた気がした
それはおおげさかもしれないが
そんな気がした
気がするだけならいくらでも大きくでていいのだ
お乳は雨からできている
だからわたしのお乳はすべての子どものためにある
そうおもったのだ

今日はシカの子にお乳をあげる
それがわたしの楽しみでもあるのだ
プロフィール

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

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