子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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ふたりはアイドル

あらいぐま




勝負の時は突然おとずれる。
それはまさに一瞬の出来事だった。

オレの名はあら太、朝日川動物園に所属しているアライグマだ。
アライグマは園のなかで最も人気のある動物でオレも当然人気者だった。
人気者だった・・・そう、やつがあれをやる前は。

勝負には相手がいる。
やつの名は、ぷう太、オレと同じアライグマだ。
やつは突然、立ちやがった。
二本足で、しかも手を上にあげてガッツポーズまでとったんだ。
それを見ていた客達が「かわいい」「タッチかわいい」と四方八方から声をあげた。
そしてやつはあっという間に園で一番人気アイドルになってしまったんだ。
テレビ局やら新聞やら雑誌やらがたくさん押しかけてきてぷう太の取材にきた・・・オレを無視して。

その時、オレの勝負のゴングは打ち鳴らされた。

オレは立ち上がれなかった。
やつに勝つためには、やつと同じ土俵に立つためにはまず立ち上がれなければいけない。
そこからオレの猛練習が始まったのだ。

いきなり立てと言われてもできないので、まずは「つかまり立ち」からはじめることにした。「つかまり立ち」とは、どこかの木とか壁とかを前足でつかまえながら立つことだ。

これだけでも一苦労だった。
前足も後ろ足もぷるぷるした。
途中であきらめそうに何度もなった。
なんども前につんのめって倒れた。

そしてなんとか「つかまり立ち」はできるようになった。
そこで、

Lesson.2「つかまり立ち」から両手をはなし「タッチ」への移行。

これを実現できなければどうしようもない。
オレは両手をはなした。

とたんにオレはすっころんだ。
1回目を失敗するのはしょうがない。
逆境に強いのがオレの長所だ。
そう思って2回目挑戦した・・・失敗。
3回目・・・失敗。
10回目、失敗、50回、100回・・・失敗。

くそー!!

おれは叫んだ。
その時だった。
またやつが立ち上がったんだ。
そしてオレを見て、にやりとした(ように見えた)。

オレは悔しくて悔しくてしょうがなかった。
それでオレは仰向けに寝っころがって頭を抑えながらジタバタした。
すると、

「かわいい」
「あの寝っころがってジタバタしてるアライグマ、超かわいい」

そんな声がまた四方八方から聞こえてきた。
えっ、かわいい、オレが?

オレは何だかわからなかった。
でも、かわいいと言われて嫌な気はしなかった。
なんだかわからないけどこの寝っころがってジタバタすることでオレの人気はあれよあれよいう間にぷう太をぬくほどになったんだ。

そしてなんだかわからんうちにまたオレは園のアイドルに返り咲いた。
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nature and science

ロボット





ネーム:G56
コード:A3455
プログラム:G8050


Dr.アカマツは後悔していた。
それは自ら開発していた科学兵器によってたくさんの人間が死んでしまったからだ。
作ったときはこんなにまで威力を発揮してしまうとは思わなかった。
人類は1/100に激減してしまった。
それだけではない。
その科学兵器によって自然環境が激変してしまったのだ。

科学兵器は使ったらそれで終わりではなかった。
その毒はまず大地を汚し、川を汚し、海を汚し、そして空を汚した。
結果的にはさらに人間を汚すことになった。

アカマツは決意する。
自分の手でもう一度、地球に自然を取り戻そうと。

そこでアカマツは考えた。
人間の身ではこの大事業はなしとげられない。
なぜなら自然を戻すためには長い時間がかかるからだ。
きっと何百年、何千年・・・いや何万年もかかるだろう。
だいいち何が自然を破壊しているのか?
それは人間のエゴそのものではないか。
人間では絶対になしとげることができない。

ロボットになるしかない。

そう思い立ったら早かった。
アカマツはもう人間の体に未練はなかった。
まずプログラム作りからはじめた。
人間の力で自然を作り出すのではなく、
本当に自然を取り戻すためのプログラム作り。
それをG8050と名づけた。

そのプログラムをもとに自分をロボットに改良するロボットを作った。
そしてアカマツはロボットとして生まれ変わったのだ。
名前をG56とした。
太陽光をエネルギーとし、メンテナンスは自分で行なえるようにしたので、半永久的に動けるようになった。

ロボットにはもうアカマツの意志を残さなかった。
なぜなら自然を破壊したのは人間の意志だからだ。
だから自分の意志を残しておいてはいつまた自然を壊してしまうかわからない。
したがってこのロボットにはアカマツが作ったプログラムのみを残しておいた。

ロボットは働きはじめた。
自然を戻すために必要なこと、
それは今ある自然を大切にすることだ。

何かを意図的に作ったりするのではなく、
自然を自然のままにさせることだ。

自分はあくまでも自然のサポートをするだけだ。
最高のサポートをしよう。
アカマツはそう考えたのでロボットには、そうするようにプログラムした。

具体的には、何かを新しいものを植えつけて育てるのではなく、
今の自然を一番大切にすることを大前提にして働くようにしようと考えた。

取り組むべきことはアカマツが作った科学兵器による汚染を取り除くことだった。
ロボットは根気よく世界中をまわり、その土地の大地を調べ、その土地の自然を傷つけない方法で慎重に毒素を取り除いていった。

どれくらい根気強くおこなったかと言うと、
これだけの作業で百年が過ぎ、千年が過ぎた。
それでも世界中の毒素を取り除くまでには到らなかった。
でも少しづつだが自然が戻っていくことを確認できた。
川辺の近くに行くとカエルの鳴き声が聞こえるようになった。

ロボットはさらに作業をつづけた。
そして一万年が過ぎた。
もうかつて栄華をほこった人間の姿は見られなくなった。

しかし、ようやく大きな変化が出たのだった。
それは、かつて砂漠になっていた土地に森林ができたのだった。
そしてその土地に様々な動物たちが住みつくようになった。

さらにロボットは作業を続けた。
そして三万年が過ぎた。

いつものように作業していると森林にある動物を発見したのだ。
それは新種だった。
見た目はアライグマのようだった。
彼らは常に二足歩行で歩き、
道具を使い、
火をおこし、
そして簡単な言葉を話した。
それはかつての人間のようだった。
自然はまた新たに知的生命体を生み出したのだ。

ロボットは彼らをしばらくながめていると、
気づかれないように迂回し、
そしてまたいつものように作業を始めた。

プロフィール

子牛

Author:子牛
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大人向けの創作童話を作っています。
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ありがとうございました。

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