子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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アブラムシたちの雑談

あぶらかたぶら





A:見なよ、あれテントウムシがカマキリと争ってるよ。
B:よくやるね。命しらずだね。
C:まあ、ぼくら的にはテントウムシがいなくなったほうがいいんだけどね。


カマキリとテントウムシの両者ともにどこかに飛んでいなくなる。


A:テントウムシ食べられなかったな。
B:そうだね。でもテントウムシ、こっちこなくてよかったね。
C:そうだね。ぼくらは無力だからテントウムシが来たらヤバいんだよね。


しばらくアブラムシたちは、静かになった。
それはCが何気なく発した無力という言葉が想像以上に重く感じたからであった。


無力、それは何に対して、無力なのだろうか?
無力、それは誰に対して、無力なのだろうか?
それともそれは、何に対しても誰に対しても関係がない無力感なのだろうか?
自分たちの生そのものの無力感だろうか?


A:ところで話は変わるがよ、ここの草の養分はおいしいな。
B:そうだね。やみつきになるね。
C:そうそう、おいしくて、ここに、ずっといたいね。
A:おいしいものがあるっていいことだね。
B:そうだね。
C:そうだよね。こういうことが生き甲斐っていうじゃないかな。


アブラムシたちは何かに追い立てられるように、草の養分を夢中で吸い始めた。
それは何ものかから逃げているようだった。
それは生き甲斐というには、あまりにも暗かった。

アリが現れた。
アブラムシたちはアリに対しては恐れを抱かない。
アリはアブラムシの尻からでる分泌物をなめてどこかに行った。
アブラムシは特に気にかけることはない。


A:アリは僕らの尻から出るものなめることに生き甲斐を感じてるのかな?
B:どうだろうな。感じてるとしたらおもしろいな。
C:どうして?
B:だって僕らの尻に生き甲斐を感じてるんだよ。おもしろくない?
A:それもそうだな。
C:でも僕らの尻から出たものと、この草の養分とどこか違うんだろ?
B:違うだろ。だって尻だぜ。


アブラムシたちはしばらく笑ったが、また黙り込んだ。
そして、何もなかったかのようにまた草の養分を吸い始めた。
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男子、天道を行くべし

テントウムシ2




男とは何ぞや?
男とは大きくあるべし。
男たるもの熱くあるべし。
男たるもの強くあるべし。

したがって小生は女々しい男を見ると吐き気を催すのである。
貴様それでも天道を歩むテントウムシ男児として恥ずかしくないのか?
貴様には漢気というものがないのか?
敵を目の前にしておめおめと逃げ出してくるとは何事か。
おい、お前らこいつをたっぷりと可愛がってやれ、クズが。

まったくどいつもこいつも根性がない。
小生の若かりし頃は、そんな貧弱な輩は一匹もいなかった。
まったく近頃の若造どもは。
何故根性がないのか?
それは根性を出そうと云う気がないからである。
汝等、腑抜けどもは根性を出そうという気がないのである。

「上官殿、質問があります。」

なんだ貴様、言ってみろ。

「根性というものはどのようにしたら出るのでしょうか?そもそも口で根性と言うのは誰でもできる簡単なことだと思います。根性があることを実際に証明するためには一体どうすればいいでしょうか?」

貴様、上官に向かって何たる口の利き方か。
ふん、まぁいい、根性とは口で言うだけでは何の役にも立たない。

根性とは実践である。
根性とは熱き血潮がほとばしる舞台である。
根性とは死をも恐れぬ勇敢さである。
根性とは・・・

「ぎゃーーーーーーー!!」

な、なんだ!?
あ、あれは小生の息子、セントが、
カ・・・カマキリに捕まっている。

「上官殿、セントが食べられてしまいます。今こそ天道男児の根性を見せる時です。」

小生、不覚にも体が動かず。
最早、万事休すか。

そう思った時、先ほど小生に質問した若輩が、なんと勇敢にカマキリにぶつかっていったではないか。そして他の部下たちも続けとばかりにカマキリにぶつかっていった。

カマキリは、予定がくるって驚いたのか、息子を放してどこかに退却した。

お前ら、すまない、小生は何もできなかった。
しかし、お前ら、なんと勇敢だったか、なんと根性があったのか。
すると、先ほど小生に質問した若者がこう言った。

「これは根性ではありません。」

では、なんだと言うのだ。

「これは思いやりです。仲間を助ける当然の行為をしたまでであります。」

小生は涙した。
二度と根性論を語るまいと思った。

妖精バッキー

バッキー





バッキーはね、オオバコの妖精だよ。
いくら踏まれたってめげないんだ。

妖精なんかこの世の中にいるわけないだろうって?
それは違うよ。
いると思えばいるし、
いないと思えばいなくなる。
見るものの心次第。

見えるものはすべて、心の映像なんだよ。

だから君が今ぼくのことを見えているということは、
君の中に妖精を見る心があったということなのさ。

だけど人間たちはなんでバッキーたちオオバコを嫌ってるんだろう。
なんでバッキーたちのことを雑草だって言って差別するんだろう。

バッキーたちオオバコだってちゃんと植物として酸素出すし、
虫たちの憩いの場になれたりするのになぁ。
ほらテントウムシが来たよ。

人間たちって勝手なイメージが強すぎるんだよ。
バッキーたちだって頑張って生きてるんだし。

バッキーたちオオバコがいなくなったら、
世界は大変なことになるんだよ。
本当だよ、たぶん。

イタっ。
また踏まれた。
でも大丈夫、バッキーはこう見えて頑丈なんだよ。

本当は雑草なんてものないんだよ。
バッキーたちのことを邪魔だと思ってるのは人間だけなんじゃないかな。
バッキーたちを一緒に一生懸命に生活している仲間だと思えばいいのに。

ほら、最初に言ったでしょ。
すべては心の映像なんだよ。
良いと思えば良く映るし、
悪いと思えば悪く映るし、
すべては心次第なんだよ。

ほらバッキーは心を開いて見ようと思えばいつだっているよ。

フライ

ベルゼブブ






血の色・・・
生き物のなかを流れる川のようなもの。

また戦争がおこってしまった。
おれは止めることができなかった。
何人もの人々が死んでいった。

ここは本来は戦場にはなるべき場所ではなかった。
しかし今、ここにはたくさんの死体が転がっている。
ここは何の罪もない普通の人々がくらす、
平和な町だったんだ。

たくさんの血が流れた。
そして死ぬ理由なんかない人がたくさん死んだ。

いたるところにある死体から嫌な臭いが充満している。
そこに蝿が群がっている。

できれば蝿を振り払いたい。
だけど今のおれは蝿を振り払う力も残っていない。
おれの顔にもたくさんの蝿がついている。

あれはケイ・・・おれの恋人だ。
顔の半分が爆弾でふっとんだ。
そこに蝿が群がっている。
蛆がわいてる。

お前らは何をしてるんだ?
なんでおれらの不幸をあざ笑うように群がってくるんだ?

もう蝿の羽音以外は何も見えない聞こえない。
おれに残されたものは、もう何もない。

ふと、わいているって何だ?
そうおもった。

あれはわいたのではない。
あれは産まれたのだ。
そう汚らしくて目をそむけてしまいたくなるが、
確かにあれは新しい命が生れているのだ。
ケイの顔から・・・。

ケイの死顔から産まれる蛆たち。
あいつらは何を考えているのだろう?
何を感じて生きているのだろう?

おれたちの死から何を得ようとしているのだろう?

血・・・。
赤い血・・・。
川のようにたくさんの血が流れていった。
そしてその血の下には雑草がかわらずはえていた。

光と闇

天使





私には遠い昔に生き別れた兄がいる。
それは本当に遠い昔のこと。

「光あれ。」

ある日、そう言われた。
そして私は産まれ変わった。

同時に兄は「闇」に変わった。
私たちは離ればなれになった。

私はすべての天使を統べる強大な力を与えられた。
私は「光」そのものとなった。

思えば兄は不憫な男かもしれない。
私が「光」となったあまりに、「闇」に変わってしまったのだ。

いや不憫など言ったら兄に失礼なのかもしれないな。
不憫なんて言葉は兄を「闇」を軽視しているからでてくる言葉なのだ。

哀れんではいけない。
憎んではいけない。
悲しんではいけない。

蝿の王よ、兄に伝えるがいい。
私は、あなたを憎んではいないと。
私は、あなたをいまだに愛しているのだ。

いや、愛しているなどというものではない。
愛していると言うと私とあなたは分離されたものになる。
私とあなたは離ればなれになったのだけれども、つながっているのだ。

なぜなら、「闇」というあなたの存在があるからこそ、「光」という存在が輝くことができるからだ。

私とあなたは一体なのだ。
私とあなたは実は離れてはいなかった。

これは神の大いなる奇跡なのだ。
世界は素晴らしき調和で成り立っている。

私も神の奇跡の一部であり、
兄も神の奇跡の一部であるのだ。

さあ、行こうか。
私は「光」として、自分のやることを全うしよう。

この世界に「光」をてらそう。
すべては素晴らしい調和で成り立つ、
神の奇跡なのだから。

バーサーカー

貪欲グマ





その時、神は現れた。
見た目はやせ細った人間の老人だった。
みすぼらしい服装に、長いヒゲ。
たよりない杖によりかかって今にも倒れそうだった。
ただ、目だけはギラギラしていた。

「お前の力が必要なんだ。」

神はそう言った。
おれは今まで他のやつから必要とされたことなんてなかったから、その言葉が心地よく残った。

「わたしの下で働いてくれ。」

おれはそれ以来、神の僕となって、神の敵と戦うことになった。
それこそ殺して殺して殺しまくった。
そこに自分の意思はなく、ただ神の命令に従った。
おれは神の名のもとに、敵を倒すことに酔った。
それは誇りなんてものではなかった。
それは快楽そのものだった。

生きがいというのはこういうものだなと思った。
誰かに必要とされているのは最高の喜びなのだ。
それが神ならば、なおさら最高だ。

そして神が敵とみなすものを皆殺しにした。
それから何日かたった。

ある日、天使と名乗る男が、おれの前に現れた。
神が来るようにおおせだと言っていた。
無論、おれは喜び勇んで行った。

そこには複数の老人が待っていた。
皆、おれの神に似ている老人だったが、どこか違っていた。
そしておれの神は口を開いた。

「お前には失望させられた。」

神はそう言った。
おれにはなんのことか理解できなかった。

「神々のみなさん、地上でおこった虐殺はこの男の独断で行なわれたことです。」

神々と呼ばれている老人たちのなかで裁判がはじまった。
そしておれは有罪になった。
自分勝手な殺戮行為の犯人として死刑を言い渡された。

おれは意味がわからなかった。
おれは神のために働いて、あなたが消して欲しいといった連中を殺しただけだ。

おれは裏切られたのか?
おれはあんたにとって都合のいい駒にすぎなかったのか?

神々と呼ばれる老人たちは姿を消した。
そしておれが神とあがめていた男もおれに一瞥もせず姿を消した。

「ちきしょー、殺してやる。」

気づいた時には、もう遅かった。
おれは狂信的な何かにとりつかれて酔っ払いすぎていた。

数人の男に取り囲まれた。
そしておれは牢獄に入れられた。

すてきなハチミツ

☆はちみつ☆



ぱしゃーん。
ぱしゃーん。

やつだ。
クマのやつが川でシャケをとっている。
おれらの天敵、クマが近くでシャケをとっている。

おれの名前はハッチン。
ミツバチの働き者だ。
おれは今までこの蜂の巣を作るのに身を粉にしてがんばって働いてきた。
毎日、毎日、休んだことがない。
蜂の巣こそがおれらの希望。
明日への希望。
蜂の巣はおれの生きがいなんだ。

それをやつらクマたちは、あっという間に壊していってしまう。
おれの仲間の巣が壊されているところを間近で見たことがある。
あれは恐ろしいなんて言葉では言い切れない恐ろしい光景だった。

やつらは悪魔そのものだった。
すべてのものの希望を、生きがいを、未来を根こそぎ奪い去っていくんだ。

仲間のハチたちも、もちろん必死に抵抗していた。
しかし、やつの分厚い肉体の前ではおれらの針は無力だ。
やつらはおれらから希望を奪い去るだけではなく、
絶望、失望、無力感を残していく。

今まで必死に作り上げてきたものを壊されると、
生きていても無駄な気分になってしまう。

だからこそ、
希望を失わないためにも、
おれらは戦わなければならない。

でも・・・
どうやって・・・

まともにぶつかってはクマに勝てるわけがない。
やはりクマがおれらの巣に気づかずに通り過ぎてくれるのが一番いい。

うっ、やつがこっちを見た。
気づかれたか。

こっちに近づいてきた。
やめろ、おれらの希望を未来を奪わないでくれ。

「ではお前を代わりに食ってやろうか?」

やつはそう言った。
おれは何もできずに震え上がった。
おれは結局、おれが一番大事なのだろうか。

震え上がるおれに目もくれず、やつはおれらの巣をとっていった。
プロフィール

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

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