子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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nature and science

ロボット





ネーム:G56
コード:A3455
プログラム:G8050


Dr.アカマツは後悔していた。
それは自ら開発していた科学兵器によってたくさんの人間が死んでしまったからだ。
作ったときはこんなにまで威力を発揮してしまうとは思わなかった。
人類は1/100に激減してしまった。
それだけではない。
その科学兵器によって自然環境が激変してしまったのだ。

科学兵器は使ったらそれで終わりではなかった。
その毒はまず大地を汚し、川を汚し、海を汚し、そして空を汚した。
結果的にはさらに人間を汚すことになった。

アカマツは決意する。
自分の手でもう一度、地球に自然を取り戻そうと。

そこでアカマツは考えた。
人間の身ではこの大事業はなしとげられない。
なぜなら自然を戻すためには長い時間がかかるからだ。
きっと何百年、何千年・・・いや何万年もかかるだろう。
だいいち何が自然を破壊しているのか?
それは人間のエゴそのものではないか。
人間では絶対になしとげることができない。

ロボットになるしかない。

そう思い立ったら早かった。
アカマツはもう人間の体に未練はなかった。
まずプログラム作りからはじめた。
人間の力で自然を作り出すのではなく、
本当に自然を取り戻すためのプログラム作り。
それをG8050と名づけた。

そのプログラムをもとに自分をロボットに改良するロボットを作った。
そしてアカマツはロボットとして生まれ変わったのだ。
名前をG56とした。
太陽光をエネルギーとし、メンテナンスは自分で行なえるようにしたので、半永久的に動けるようになった。

ロボットにはもうアカマツの意志を残さなかった。
なぜなら自然を破壊したのは人間の意志だからだ。
だから自分の意志を残しておいてはいつまた自然を壊してしまうかわからない。
したがってこのロボットにはアカマツが作ったプログラムのみを残しておいた。

ロボットは働きはじめた。
自然を戻すために必要なこと、
それは今ある自然を大切にすることだ。

何かを意図的に作ったりするのではなく、
自然を自然のままにさせることだ。

自分はあくまでも自然のサポートをするだけだ。
最高のサポートをしよう。
アカマツはそう考えたのでロボットには、そうするようにプログラムした。

具体的には、何かを新しいものを植えつけて育てるのではなく、
今の自然を一番大切にすることを大前提にして働くようにしようと考えた。

取り組むべきことはアカマツが作った科学兵器による汚染を取り除くことだった。
ロボットは根気よく世界中をまわり、その土地の大地を調べ、その土地の自然を傷つけない方法で慎重に毒素を取り除いていった。

どれくらい根気強くおこなったかと言うと、
これだけの作業で百年が過ぎ、千年が過ぎた。
それでも世界中の毒素を取り除くまでには到らなかった。
でも少しづつだが自然が戻っていくことを確認できた。
川辺の近くに行くとカエルの鳴き声が聞こえるようになった。

ロボットはさらに作業をつづけた。
そして一万年が過ぎた。
もうかつて栄華をほこった人間の姿は見られなくなった。

しかし、ようやく大きな変化が出たのだった。
それは、かつて砂漠になっていた土地に森林ができたのだった。
そしてその土地に様々な動物たちが住みつくようになった。

さらにロボットは作業を続けた。
そして三万年が過ぎた。

いつものように作業していると森林にある動物を発見したのだ。
それは新種だった。
見た目はアライグマのようだった。
彼らは常に二足歩行で歩き、
道具を使い、
火をおこし、
そして簡単な言葉を話した。
それはかつての人間のようだった。
自然はまた新たに知的生命体を生み出したのだ。

ロボットは彼らをしばらくながめていると、
気づかれないように迂回し、
そしてまたいつものように作業を始めた。

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ロボットシティ

アンドロイド





ひさしぶりに故郷に帰ってみたと思ったらどこだここは?
やっぱり昔話で言っていたことっていうのは本当だったんだな。

私の名は柏太郎。
ついさっきまで私は竜宮城にいた。
嘘じゃない、本当に竜宮城にいた。

亀を助けたら行けたんだ。
そこにいた女王の話だと、竜宮城に行ける条件は

①太郎という名前
②子どもにいじめられている亀を助けること

みたいだが、すごい確率らしい。
まぁ、そうだろう、子どもにいじめられている亀なんてそうそういないもんな。

それで、さんざん遊んで帰ってきた。玉手箱?
持ってるよ、もちろん開けないけどな。
しかし、本当に未来になってしまうとは思わなかった。

しばらく歩いてみた。
かつて私の街があった場所にはやたらとでかい無機質な四角い箱みたいなものがたくさん並べられてあった。それはねずみ色や黒がほとんどでそれは天をつくように立ち並んでいた。

箱の前に立つと丸い物体がいきなりカバの口みたいにがばっと開いてその中に引き込まれた。びっくりしたが出るのもその丸い物体の前に立つだけだとわかって安心した。私はもう一度中に入ることにした。
そこで一人の女と出会った。

「ワタシハS-21デス」

女は話しかけてきた。
おかしな言葉づかいだった。
おかしなぐらい無機質な話し方だった。

「ニンゲンニ デアッタノハ ヒサシブリデス」

なに、お前は人間ではないのか?

「ワタシハ ロボット デス」

え、ロボットって何?
それからしばらく女と話した。
女と話すうちに未来世界の現状がだんだんと理解できた。

信じがたいことだが、もう人間はいないらしいのだ。
数百年前に人類は全員がロボットになってしまったというのだ。
詳しく話すとこういうことらしい。

数百年前の地球では今まで人類が体験したことのない危機をむかえた。
気温の上昇やそれにともなう自然災害によって食糧不足の問題が深刻化したからだ。
人類は生き残りをかけるためにあることを考えた。

それが、『人類総ロボット化計画』だ。

人間は食糧不足の問題を克服しなければいけなかった。
まずは食料の奪い合いになった。
それで人口の半分が死んだ。
それでも人間は争いをやめなかった。

最後には人類の人口が争う前の1/100になったところでようやく収まった。
戦いは根本的な問題解決にはまったくならなかった。

なぜ人は食料のために苦しまなければならないのか。
それならば人間が食料を必要としない体になればいいのだ。

そう考えたのは当時のロボット工学の第一人者Dr.アカマツだ。
そして人間はみんなロボットになった。
もう二度と苦しまないために。

ロボットのエネルギーとなるのは太陽光らしい。
一日に10分ほど日に当たれば充分みたいなのだ。
そして機械が壊れないかぎり半永久的に生き続けることができる。
彼女も何百年も生きているみたいで長く生きすぎてもう自分の年を覚えていないそうだ。
食料を必要としないから争いもない。
半永久的に生き残れるから子孫を増やす必要もない。

人類は幸せになったのかい?

「ワカラナイ ワタシノナカマノナカニハ ミズカラシステムヲ シャットダウンシタモノモイル」

それは長く生きられる半面、なんで生きているのかわからなくなったものたちだった。
システムをシャットダウンすることは自ら死を選ぶことを示す。
それで生き残ったのは本当にわずかになってしまったということなのだ。

彼女は美しかった。
突然だが私は彼女に恋をした。

しかし彼女の目を見た瞬間にそれはかなわぬ恋だということが一瞬でわかった。
無機質な目だったが、なぜかどこかさみしげな色をしているような気がした。
私は絶望感におそわれた。
そして玉手箱を開けた。

即座に私は白髪の老人に変わった。
これも昔話に書いてあった通りだ。
ヨボヨボすぎてへたり込んだまま動けなくなった。

その時だった彼女の目から涙がこぼれたのは、
そして「おじいちゃん」と一言。
人間だった頃の思い出が一部よみがえったみたいだった。
私は彼女に抱きかかえられた。
体温はなかった、しかし不思議とぬくもりは感じられた。
彼女の腕に抱かれながら私は自分の未来を受け入れる覚悟を固めた。
プロフィール

子牛

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

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