子牛が日々考えていること(妄想)を紹介します。創作童話やポエムの空間。

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ファースト・フィナーレ

ファーストフィナーレ2



「ケ・・・ケンくん。」
「おまえも生きてたのか。」

ぼくはナメクジのリュウスケ。
そして友達でカタツムリのケンくんは
マイマイカブリに食べられそうになって
それ以来、生き別れになっていたんだ。
(第一話参照)

ケンくんが言うにはあの後
マイマイカブリに食べられそうだったけど
急に人間がケンくんを拾い上げて助かったみたいだった。
その人間もケンくんを食べるために家に連れて行ったけど
やっぱりやめて外に放り出したみたいだった。

「食べられたかと思ったよ」
「俺なんかあの後も人間に食われそうになったり」
「そんでも助かったんだね」
「まったくどうなるかわからんものだな」
「人間万事塞翁が馬だね」
「だな」

アハハハハハ

カタツムリのケンとナメクジのリュウスケの目の前には
大きな木が1本そびえたっていたので
二匹はうじうじとその木に登っていった。
雨上がりの青い空に届きそうな気がした。

First Finale

(子牛と素晴らしき世界 第一章 完)
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エスカルゴ

エスカルゴ



散歩することが日課だった。
日課というよりかはそれしかすることがないと言うべきか。
腹が減っていたが食べれるものがあまりなく
しょうがないから外に出て気を紛らわすのだ。
男は失業していた。

その日は雨がビー玉のように
バチリバチリと降ってくる空だった。
ビニール傘がいかにも破れそうな音を立てていた。

ふと足元の歩道の白線をみるとかたつむりが二匹いた。
二匹はかたつむりだからそんなことはありえないだろうが
何か喜びあっているように見えた。
まるでひさびさの再会を喜ぶ生き別れた親友のよう
だったけど
男はふと

「食べたらおいしんじゃない」

と思い家に持ち帰ることにした。
何と言ってもエスカルゴというフランス料理があるくらいだ。
どうやって食うか。
やはり焼いて食うか。
醤油とバターにつけて焼けばそれなりにおいしそうだ。
まてよ先に味付けすると塩分で溶けてしまうのだろうか。
だとしたらある程度焼いてからじゃないとダメかな。

かたつむりを指でつまむと
クネリクネリと触覚を動かした。
何か命乞いをしているのかなとは
ちょっとは考えてみた。
しかし本当に空腹な男には情けなど持ち合わせていけないのである。
二匹を左手で持ちながらフライパンをせわしなく取り出した。

灼熱地獄だ。
あるいは火炎地獄だ。
きっとこのフライパンの上で身を焼くというのはそういうことに違いない。

地獄なんてあるかわからないが
今このかたつむりにとって俺は地獄の鬼そのものだろう。
人間にとって
いやすべてのものは立場によって心が変わるものだ。
人間の俺はかたつむりを焼くことになんの罪だろうか。
地獄の鬼にとって人間を焼くことなんて
なんの感情もなくやってることなんだろう。
地獄の鬼としてやることをやってるだけなのだ。
腹がへったら人間以外の動物や植物を食べる。
それは人間のやることだ。

ふと体が熱くなった。
気がつくと目の前にグツグツと煮えたぎる熱湯
いや、これは血の池だ。
大きな釜があってそこに満ちていた。
溶けそうな皮膚をベロベロしながら
人間たちがたくさんもがいていた。
呻いていた。
沸騰する血の池だ。

それらを見て俺は何も感じない。
俺は何も怖ろしくない。
何も後ろめたいことはない。
なぜなら

俺は鬼だからだ。

はっと我にかえるとそこはいつもどおりの我が家だった。
片手には二匹のかたつむりがあった。
よし食おう。
そう思った瞬間。
かたつむりには寄生虫があることをふと思い出した。

「ばっちい」

俺は窓から二匹を放り投げて手を洗うことにした。

真実の愛の物語

しんじつのあいのものがたり



むかしむかしあるところに
わがままな王子がいました。
人を心の底から愛したことはなく
宮中の女たちなどは自分の欲望を満たすだけの道具と考え
また自分以外の人間を軽蔑している悪い心がありましたので
女たちに口汚い罵詈雑言をあびせて楽しむ悪い癖をお持ちでした。

ある日、王子の前にひとりの女が通り過ぎました。
その女の地味な服装に腹をたてた王子は
当然のように王子はその女に罵詈雑言をあびせたのでした。

ところがその女こそこの国一番の魔女だったのです。
王子はそのことを知りませんでした。
頭にきた魔女は王子に呪文をかけてしまったのです。

そして王子は野獣になりました。
すぐに王子は城から出て
誰に言われるのでもなく密林へと向かっていったのです。

数ヵ月後、
王子は一匹の虎と会いました。
王子はひと目見て恋に落ちました。
美しい虎の名はエリーゼと言い
王子とエリーゼはほどなく夫婦となりました。

はじめは魔女のことを憎んでいた王子ですが
すぐに感謝する気持ちに変わりました。
なぜならエリーゼとめぐりあえたから
人間だったら絶対に一緒になれなかったからです。
王子とエリーゼは本当に幸せに暮らしていました。

ところがある日
その日は雨がしとしとと降り注ぐ灰色の雲の日でした。
虎同士の戦争がおこったのです。
王子とエリーゼは遠くまで避難しようと思いました。
しかし二匹の家の前はすでにたくさんの虎たちに囲まれていたのです。
争っているふたつのグループでした。

虎たちはどちらにつくのか選べと迫ってきました。
しかし王子はどちらにもつけないと言ったのです。
同じ虎同士で争いを起こして何になる。
そんな馬鹿げたことにわたしたちは巻き込まれたくない。
わたしたちの幸せを奪わないでくれ。

王子の言葉を聞いてるうちに一匹の逆上した
青年虎が王子に噛みかかってきました。
自分たちの幸せのみ考えて戦いに参加しないなんて

「この売国奴め」

その時、とっさにエリーゼが身代わりになって噛まれてしまいました。
青年虎は邪魔だといわんばかりにもう1回エリーゼに噛もうとしたところ

「やめろ、エリーゼは噛むな」

と王子が青年虎とエリーゼの間に入りました。
その時、奇跡がおこったのでした。
天界で影ながら王子の様子を見守っていた神様が
王子が真実の愛に目覚めたことを知りひどく感銘をうけたのです。
そして神様のはからいによって王子は人間に戻されたのでした。

ところが周り中に虎だらけの最中に
このはからいは酷でした。

はじめはキョトンとしていた虎たちですが
突然人間(エサ)があらわれて皆
争いを忘れ空腹感に襲われたのでした。
エリーゼでさえも王子がさっきまでいた夫だと思わずに
飢えた目で王子を見たのです。

王子は一目散に逃げ出しました。

美女と野獣と王子探し

美女と野獣と王子探し



「悪い魔女に魔法をかけられた」

そう言って突然野獣があたしのアパートに転がり込んできた。
どうしていいのかわからずおどおどしていると
その野獣は勝手に上がりこんで「お茶」と言って座り込んだ。
わたしは言われるままにお茶をいれると
おいしそうにグビグビと飲み干して

「熱い」

と言った。
わたしが眉間にしわをよせると

「いや、おいしかった」

と言いなおして魔女に魔法をかけられた話をし始めた。
どうやらこの野獣はもともと王子だったみたいだった。
そして魔女から隠れるためにここにしばらくいさせてくれと言う。
わたしは追い出そうと思ったが
ひょっとしたら本当に王子様だったらどうしようと
少し下心出してとまどってしまった。

いろいろ考えているうちにその野獣は床に寝そべって
グーグーと眠り始めてしまった。

なんて図々しいやつ。
王子だから我がままいっぱいに育ったんだろうか。

野獣の横顔は猫のような犬のような
不思議な顔で毛はふさふさしていた。
あーあー明日は床が毛だらけだと思ったが
その猫のような犬のような顔がふとかわいいとも思ったので
毛布をかけてあげた。

次の朝、起きたら野獣は朝ごはんを作っていた。
そのお味噌汁の香りに不覚にもお腹がグーとなった。
しばらく置いてあげてもいいかなと思ってしまった。

それからひと月が過ぎ
ふた月が過ぎ
み月が過ぎたところで
さすがにおかしいと思い始めた。

この野獣ときたら
ただ食っちゃ寝してゴロゴロわたしになついてくるだけだった。
魔女を探すとか王子に戻るために何か調べたりとか
まったくそういう活動をしてない。
普通するだろうそういうこと。

どう考えてもこの野獣は王子ではない。
この野獣はたんなる野獣だ。
人間ですらない。
わたしは騙されていたんだ。
そう思った瞬間怒りが吹き出てきた。

「出てってよ」

床に寝転がっている野獣を見て
わたしは大声を張り上げた。
野獣は驚いたような泣きそうなような
そんな情けない顔でわたしを見上げた。
そんな情けない顔で見ないでよ

「好きだから騙してたんだ・・・好きだから・・・」

そう言って野獣はわたしの部屋から出て行った。
その言葉に一瞬ぐらついたわたしだったが
ともあれその時からわたしの本当の王子探しがはじまった
のだったのだが・・・

街をぶらぶらしてみた
誰かに声をかけられるかと思ったけど
誰にも声をかけられず

結婚相談所にもいってみた
年収1000万の外科医者に興味をもつが
あっさり向こうから断られた
わたしは年収1000万にひかれたのか
王子より医者という肩書きにひかれたのか
なんか後悔だけが残った。

結局王子なんてものは見つからなかった。
わたしに残ったのは寂しい気持ちと後悔だけ。
・・・それとベランダで育ててるアイビーだけ。
そういえばこのアイビーを野獣は食べそうになったけ。

馬鹿馬鹿しい。
むなしい。
腹立だしい。
淋しい。
あいつ。

あの野獣は今頃どうしているだろう。
どっかの野山にでもいるのだろうか。
また会いたいと思ってた時
ピンポンがなって目の前にあいつがいた。
涙が出てきた。

「本当は王子じゃなくて野獣だけど
きみが好きなのは本当だから」

バカ、早く入ってよ。

シャルー・ウイー・ダンス?

シャル・ウイー・ダンス2



目の前に美女が転がっていた。
いやこんな表現はないのかもしれない。
だが確かに転がっていたのだ。
倒れて転がり続けている。
ぼくは何がなんだかわからず
しばらくの間その様子を見ていた。

10分くらいたった後
美女は転がるのをやめた。
そして仰向けに倒れたまま手足をワナワナと奮わせ始めた。
よく見ると右手に何か持っていた。
それはかじりかけのキノコだった。

このままでは危ない
そう思い、ぼくは水筒のお茶を彼女の口に持っていった。
はじめは吐き出していたがじょじょに飲み始めた。
しばらくすると大分落ち着いてきて震えも止まった。
そしてまぶたを閉じてすやすやと眠ってしまった。
ぼくは抱えた手をどうすればいいのか
ここでそのまま寝かしておくわけにもいかず
硬直状態になってしまった。

しかしなんと美しい顔をしているのだろう。
すべての顔のパーツがはっきりとしていて
あたかも絵画の世界から抜け出てきたような
現実ばなれした美しさをはなっていた。
ぼくは自然とくちびるに顔を近づけた。

あと少しで口づけできそうなところで
眠れる森の美女はぱっちり目を覚ました。
ぼくは口をとがらせたまま
あたふたしていると

「王子様」

と美女は言った。

どうやら彼女は幻覚を見ているようだった。
ぼくはどう見ても王子様なんかには見えない
髪もぼさぼさだし
服も高校生の時からずっと同じの着てるからくたびれてる
そんなぼくをこともあろうに「王子様」だなんて
幻覚の症状がよっぽどひどいに違いない。
でもつい面白くなってこう言ってみた

「一曲ぼくと踊りませんか?」と

そんなわけで今この美女と一緒に踊っている。
曲はなにもかかっていないけど
チークダンスでゆっくりゆっくり踊っているのだ。
それは夢のような時間だった。
踊っているうちにはっきりわかってきた
ぼくは彼女を好きになっているって。
離れたくないと思った。

たからいつ彼女が正気に戻るか。
それだけが気がかりになってきた。
正気に戻ったらきっと
もう踊ってはくれないだろう。
いやそれどころか。
警察に行ってしまうかもしれない。

そして、
だんだんと彼女が正気に戻っていくのがわかった。
まだ少し震えていた体もおさまり
目もうつろだったのが
はっきり見ている目に変わっていった。
ぼくはたじろいだ。
そして観念した。

「すまない、つい・・・」

すると彼女は小さい声で

「いいえ、こちらこそごめんね」と言った。

それからゆっくりと話し始めた。
どうやら彼女はだいぶ前から正気に戻っていたようだった。
幻覚を見てるふりして踊りに付き合っていたみたいだ。
やっぱりそうだったんだな。
どうやらからかわれていたのは
ぼくのほうだったらしい。

「さよなら」

そう言っていさぎよく去ろうと思った。
そうしたら聞こえた。
か細い声で

「わたしもあなたと踊りたかったの」

その時、ぼくは手を握ってまっすぐ彼女のほうを見て言ったんだ。

「あらためてぼくと踊ってくれますか お姫様?」
プロフィール

Author:子牛
ようこそいらっしゃいました。
大人向けの創作童話を作っています。
よかったらみてください。
ありがとうございました。

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